左利き便利帳

002 :
ペン型はさみ ペンカット PENCUT

 
「左利きにとって理想的なハサミとは?」という質問を投げかけられたとき、あなたならどう答えますか? 
一般的には「右手で使うように作られたハサミよりも左手で使うように作られたハサミ」と答えるケースが多いと思われますが、かつて左利き用のハサミが入手しづらかった頃、右手用に作られたハサミを自分なりに工夫し左手でモノを着る人が少なくありませんでした。



刃の合わせは右利き用だが持ち手のアングルは左利き用の一例
(写真は『左ききでいこう!』フェリシモ左きき友の会&大路直哉編著より)

 
また一見すると何でも左手を使うと思われがちな左利きですが、動作によっては右手が利き手となるも少なくないクロスドミナント(交差利き)の人もいれば、この記事を書いている筆者のように切るモノや左手用ハサミの有無によって左右の手を使い分ける人もいます。
さらには、仕方なく右手用のハサミを右手で使っていたものの、やっぱり利き手の左手でストレスなくモノを切りたい!なんて願望に駆られる人もおられることでしょう。
 
さらには学校や職場で気になる異性が左利きだったりしたとき、左手用のハサミをシェアすることで話題に花が咲くことでしょう?!
 
そんな余談はさておき、左利き用品のみならずユニバーサルデザインに強い関心を持つ筆者が、何気なく書店の文具コーナーで発見した「二刀流のハサミ」とはいかに!
 
 

#01 ペンカットの基本データ

 
商品名 ペン型はさみ ペンカット PENCUT (左利用・右手用)
メーカー 株式会社 レイメイ藤井
カラー

1. SH601 B(ブラック)
2. SH601 A(ブルー)
3. SH601 M(グリーン)
4. SH601 P(ピンク)
5. SH601 W(ホワイト)

本体サイズ W15 x H128 x D15mm(刃渡り46mm)
重 量 39g(包装資材含む)
原材料 本体/キャップ:ABS
ハンドル:PE
ブレード:刃物用ステンレス鋼
本体価格 600円+消費税(2019年8月現在)
 
 



ユニークかつ文房具らしいデザインのペン型ハサミ「ペンカット」。ご丁寧に<左手用・右手用>とクレジットされているだけあって、細部の作りを見てみると、大半のパーツが左右対称にデザインされていました。
そして特筆すべきは、コンパクトさ。下の写真は、前回ご紹介しましたドイツ製の 左利き用万年筆との比較ですが、「より小さく収納性よく」が得意な日本のメーカーらしいと申しましょうか。全長に限って言えば小型のカッターナイフよりも短いことを知り驚きを隠せませんでした。
 
 
 

#02 購入時は右手用

 
本題へ入る前に、利き手の左右に関係なく今回のご紹介にあたり後悔していること。それは「黒ではなくピンク」を買っておけば良かった」(購入した店舗では黒とピンクのみの取り扱い)。 写真にしてみると刃以外のパーツが全て黒なので細部の構造がわかり辛い。後日、改めてピンク色のハサミを購入するかもしれません。その折には写真を差し替えますので、ご希望の方はリクエストをお待ちしております。(笑)
 


ちなみに販売元のレイメイ藤井は早くから左利きの子ども用のハサミを開発していた会社。購入時は全人類の90%とも言われる右手用にセッティングされてはいるものの、左利きへのホスピタリティーを「左手用・右手用」と、左手を先に表記していることで大いに感じるところであります。
 




 
まずはデフォルト状態の右手用を、パッケージ裏側にある説明に従ってセッティングして紙を右手で切ってみました。4枚目の写真をご覧いただきますと、刃の合わせの親指側が手前下側にあることから右手用であることがおわかりいただけるかと思います。
以上はさておき、最初に紙を切ってみて感じたことは「軽くて想像よりも切れ味が良い」。ならば「左手にとっての善は急げ!」とばかりに、この「ペンカット」を左手用にアレンジして使用感をチェックです。
 

#03 セパレーターというパーツの付け替えで左右の仕様が変更可能!

 
すでにペンカットに使用されているパーツの大部分が左右対称であることをご紹介しましたが、「左手で切るとき」と「右手で切るとき」で最も異なる点は、「刃の合わせ」です
 
右手で切る場合はハサミの左サイドからハサミと切るモノを見ます。
いっぽう左手で切る場合はハサミの右サイドからハサミと切るモノを見ます。
 
ちなみにハサミでモノを切るときは、一般的に親指の上下運動が基本となりますが、親指で支える刃が目線の手前にあることで、「刃の合わせ」が確認しやすくなるだけでなく、モノが切りやすくなります。多くの左利きが、幼少時、右手用のハサミを使って困難を感じてしまうのは、「刃の合わせ」が確認しづらく左手用とは逆。しかも持ち手そのもののアングルが完全に右手仕様ということもあり、不便極まりなかったからです。
 
というわけで、早速、右手用から左手用へとアレンジ開始。手順を見ると「左手用としてお使いの方へ」という注意書きがあり、「セパレーター」というパーツを図版に従って反対側に付けます。
 





2枚目と3枚目の写真が右手用仕様に取り付けられたセパレーターを外したところ。4枚目の写真は、取り外したセパレーターを反対側へ取り付ける直前の様子です。
 



セパレーターを右手用とは反対側に取り付け、「刃の合わせ」だけでなく、ハンドループ(持ち手)を左手用として右手用とは逆サイドから取り出した様子です。黒のペンカットゆえわかりづらくて申し訳ございませんが、上の写真がハンドループ(持ち手)を左手用として右手用とは逆サイドから取り出した直後。下の写真が左手で持つべく刃を上下逆に移動させた様子です。
 

#04 左手で切っても右手で切っても切れ味の感覚が同じ!

 
何事にも言えることですが、あらゆる動作において「究極を求める」のであれば、左手で使うのであれば左手用、右手で使うのであれば右手用がベストであることは言うまでもありません
いっぽう、一つの道具を利き手の左右に関係なくシェアーするという観点に立てば、一番の理想は「左手用にアレンジしても右手用にアレンジしても使い勝手が同じ」であることに尽きるのではないでしょうか。
 


このペンカットを実際に使ってみて率直に感じたことは、「左手で切っても、右手で切っても使い勝手は同じ」と言うことに尽きます。細部の作り込みも良く商品自体のクオリティが高いことも寄与していることでしょう。
 
もちろん小型・軽量・コンパクトな携帯用ハサミなので専門性の高い用途には向きませんが、自分だけでなく利き手の左右を超えて道具をシェアするようなシーンは、左利きに対して寛容となりつつある昨今、さらに増えるはず。だからこそ、今回のペンカットのような練りに練られたユニバーサルデザインの道具は、今後もさらに普及していくことを期待してやみません。
 

#05 左利きのための結論

 

  1. ハサミ使いは不器用と思って悩んでいたのは、そのじつ、幼少時に右手用のハサミを仕方なく使っていたからかもしれない。一度、左手用で潜在的な能力を掘り起こせるかどうか試してみよう。もし慣れ親しんだ右手用の方がよければ買い換える必要のないユニバーサルデザインは便利。

  2. 左利き自身にとっては左手用にアレンジすることで使いやすく、周囲に多く存在する右利きの人への気遣いと利き手観のシェアリングという点では右手用にアレンジすることで好感度アップ?! これぞ手品?!

  3. 右利きの人にとっては左手の器用さを養成するための道具になりうる。

 


 

INFORMATION 

 

 
http://www.raymay.co.jp/school/contents/stationery/pencut/lineup.html

※販売元レイメイ藤井のウェブサイト