A 013 : 左右識別困難(一般的に左右失認・左右盲と呼ばれる)のため咄嗟(とっさ)に左右の判断に迷いが生じる左利きは右利きより多いものの、病気ではありません。
左利きの子どもだけでなく自動車運転中のナビゲートで注意すべきこと
言葉で「右!」「左!」と指示すると左右の判断ができず路頭に迷ってしまう……一般的には「左右失認」や「左右盲」と呼ばれる「左右識別困難(さゆうしきべつこんなん)」に陥るケースが、左利きは右利きよりも多いと言われてます。
ですが、それは病気ではなく、左右を識別する能力そのものも生得的とは言い切れません。ちなみに上下の識別困難で問題を抱える人は稀です。
左右識別困難者の割合は、2020年に行なわれた大規模調査において約15%。また、これまでの研究で「女性」そして「左利き」が多いことが報告されています。
また右利きの場合は女性に多いものの、左利きの場合は性差がありませんでした。
ADHD(注意欠如多動症)や、脳卒中や交通事故で脳を損傷した人が発症するゲルストマン症候群という、脳の特定の場所に病変が存在することによって起こる脳機能障害との関連性が指摘されるものの……
「左右失認」「左右盲」は生得的なものではないとの見解が主流です。
左利きの場合に考えられる原因として・・・
- 幼少時の利き手矯正によって脳の発達に混乱が生じる。
- 幼少時に「箸を持つ手は?」「お茶碗を持つ手は?」といった指導を受け、少数派である左利きゆえに周囲と違い戸惑ってしまう。
などがあり、「左右失認」「左右盲」だけでなく、「吃音」が生じる原因にもなると考えられています。これまで多くの左利きや利き手を矯正された経験のある人から「左や右を咄嗟に判断できない」という悩みを訴える声が届くことも少なくありません。
そうした左利きの多くが、保育園や幼稚園での指導で「箸を持つ手はどちらでしょう?」「お茶碗を持つ手はどちらでしょう?」と言った、右利き本位の指導で左右の判断にまごついた経験を持っています。
こうした幼少時の「トラウマ」から生じる「左右失認」を防ぐ指導を心がけることが大切です。その一例は……
南北の方位で言えば南に向いて立ち、「太陽が昇る側」「太陽が沈む側」といった、利き手の左右に関係のない「普遍性」を基準とする
ことです。
以上から、カーナビゲーション全盛の時代とはいえ、左利きのドライバーに道順等をナビゲートするときに気をつけることとは……
言葉だけで「右」「左」と発するよりも、左手や右手でしっかりと身体を使って指差すことです。そうすることで安全運転にも寄与します。
“口”よりも“左手と右手(指差し)”で左右を指示すること!
※このページにつきましては、今後もどんどんと内容を充実させてまいります。お読みいただいた皆様方からのご意見やアドバイスも取り入れますので、今後ともよろしくお願いいたします。